先日の大相撲春場所の白鵬と鶴竜の取組は、日本中の視線を釘付けにする手に汗握る大一番となった。この古来から続くシンプルで奥深い競技は、何故こうも人々の心を捉えて離さないのか。きっと長い歴史と伝統が、我々の奥底の記憶と、流れる血に直接訴えかけてくるのだろう。
ただ、伝統は守るべきものである一方で、変える勇気もまた必要という言い方もある。変えることでその伝統は瑞々しさを保ち、一層輝きを増すのだ。かつて土俵は四角だったともいうではないか。ということで、相撲人気をさらに一段階上のレベルに引き上げるべく、完全に余計な世話ながら、大相撲のホーム&アウェイ化を提案したい。つまり、対戦する力士は、自身の属する部屋と相手の部屋とで1回ずつ、計2回顔を合わせるという次第である。中立地でまとめて行われるわけではないため、面倒に感じる力士もいるかもしれないが、部屋ごとの特徴が際立つようになり、大相撲がより面白いものになると考える。 各々の部屋で興業として取組を行うのだから、例えば土俵にもそれぞれの個性が現れるだろう。国技館をしのぐ程に美しい土俵を整備した部屋があるかと思えば、やけにボコボコのところがあったり。エンタテイメント性を追及して、滑りやすい赤土100%で土俵を作る部屋や、大リーグのフェンスのように一箇所だけ俵を高くするような部屋も出てくるだろう。小兵を揃える部屋では、俊敏性を活かそうと水を撒いたりもするだろうか。整備不行き届きで夏場にはうっすらと草の生えてしまっているようなふざけた土俵もあるかもしれない。そうなれば当然、取組にも変化が現れる。ホームでド派手な突っ張りを連発する力士が、アウェイでは立合いに必ず変化するなど戦い方を変えてくるようなことも考えられる。赤土でのみ圧倒的な勝率を誇る力士なども出てくるのではないか。 また、幕下の力士しか所属していないにも関わらず、フードを充実させて、ちゃんこ人気で賑わう部屋もあるかもしれない。その逆に何をどうやっても客入りの悪い部屋などの場合、満足なサラリーを払うことが出来ず、待遇の悪さへの不満から、大きな部屋へ移籍する力士も現れるだろう。ビッグ部屋への移籍を果たしスターとなったその力士が古巣の力士と対戦する際には、殺気立つホーム観客から土俵に臓物が投げつけられたりして、荒れに荒れる一番になる。そして普段見せないような馬鹿力でスター力士を土俵際で投げ飛ばしたホーム力士は、興奮のあまりに廻しを脱ぎ捨て、高々と振り回してから観客席に放り投げてみせるのだ。割れんばかりの歓声と悲鳴で場内は騒然となるだろう。 なるほど、現状の本場所や地方巡業を潰してまで、やるようなことではないかもしれない。であれば、それらと並行してシーズンを通して行えば良いのではないか。日程的には厳しいかもしれないが、実現すれば新たな相撲文化が花開くことになるはずである。相撲協会には是非とも、このホーム&アウェイ案を検討してもらいたいものだが、してもらわなくても全く問題ない。 #
by sporting_emoto
| 2014-03-24 23:22
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