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旅してる場合じゃない
自身の呼びかけにより開催されることになったチャリティマッチ(中田英寿選抜のジャパン・スターズと、かのジョゼ・モウリーニョを監督に据えたワールド・スターズが6月に対戦)に向け、 日本で調整中の中田だが、そのジャパン・スターズが先日東京ヴェルディと練習試合を行った。「旅してる場合じゃない」は、そのプレイを目の当たりにした東京V常務、ラモス瑠偉の言葉である。現在「旅人」である中田の現役時代と違わぬ高質なプレイに改めて感嘆し、以前から持つ中田復帰への思いを強くしたようだ。中田は、この言葉に対してどんな反応を見せるのだろう。ニヒルな薄笑いを浮かべて「旅してる場合ですよ」とでも答えるのだろうか。その言葉と態度にカチンときたラモスが声を荒げれば、「笑ってる場合ですよ」とも言うだろうか。

中田は、W杯後の突然の引退以降、世界中を旅しながら社会貢献活動を続けてきた。その活動が評価され、FIFA会長より親善大使にまで任命されている。大いに敬意が払われてしかるべきこれらの活動の全てを、ラモスの言葉は軽々と否定してみせる。
確かに中田が現役に返り咲き、しかもJリーグの舞台に戻るなんて夢がある。見てみたいし、実際結構な活躍をすると思う。そして数年後、今度こそ本当に引退というラストマッチでは、あのW杯のブラジル戦の時のように試合後のピッチ上で大の字に仰向けになってほしいと思う。あの時は10分ぐらいだったが、今度は1時間ぐらいいっとくといいだろう。眠ってしまってもいいかもしれない。

とはいえ、今や中田は「旅人」なのだ。そう易々とは気持は動かぬはずだ。今回のチャリティマッチは、「フットボーラー・中田」の企画であるが、ならばそれとは別に「旅人・中田」としての企画もしてみてはいかがだろう。中田の選抜した旅人が一堂に会し、旅をするのだ。中田の周りには、小汚いバックパッカー達が群がり、地図を広げ、時刻表を眺める。世界中の町から町へと、この旅人達がぞろぞろとゆくのだ。その一群の中には、どんな心変わりがあったか、巨大なリュックを背負い、いつにも増してモジャモジャの頭に無精髭をたくわえたラモスもいたりして。
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by sporting_emoto | 2008-05-19 22:00 | Football
ゼニト・ワイシャツトペテルブルク
昨夜27時45分よりuefa.comの無料放送でUEFA杯決勝戦を観戦した。今年はスカパーでは1試合も放送のなかったUEFA杯だが、代わりにUEFA.comがインターネットでのライブ中継を無料配信してくれている。グラスゴー・レンジャーズとゼニト・サンクトペテルブルクの決勝戦も当然のように放送ありだった。ありがとう、UEFA.com。

いやはや、それにつけてもゼニトだ。優勝したゼニト・サンクトペテルブルクは、有力クラブひしめくモスクワではなく、ソ連邦時代にはレニングラードと改称されていた都市、サンクトペテルブルクのチームである。チーム名の「ゼニト」は、「天頂」、「絶頂」、「頂点」というような意味であるらしい。セクシャルな感じを想像してしまうが、恐らくそういうことではない。そうだったら凄いが。きっと、いつでもトップであれという願いが込められているのだろう。その名の通りに、ついにヨーロッパの大会の頂点に上りつめた。

実に面白いサッカーだった。アドフォカート監督はこんなにもアグレッシブなチームを作るのか。前回EUROのオランダ代表とは違う。臆することなく攻める。画面には、次から次へと夏の花火のクライマックスの如く、ヒュルヒュルと人が飛び出してくる。そして、戦術が浸透しているようで、見事な連動性を見せる。野洲高校のセクシーフットボールでの快進撃を見ているようだった。見逃した方は1.99ユーロのUEFA.comのオンデマンド放送で是非ご覧頂きたい。完全に崩した2得点目などは、息を呑む美しさだ。その美しさには、誰しもが絶頂に達し、昇天するはずである。
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by sporting_emoto | 2008-05-15 19:00 | Football