アスリートとして
慢性的な故障に悩まされている。曲げると親指が痛いという状態がもう長く続いているのだ。最近はとみにひどく、現在は全くプレイできない状態となってしまっている。
そこで先日、近所の外科へ行ってみた。ネット上には、その外科に関するHPや口コミの評判などが全くないため若干の不安はあったが、これから故障に立ち向かい共に戦っていくパートナーは近距離にいる方が良いと考え門を叩いた。
外科は古くて狭い、ただの家であった。病院とは書いてあるがそういう感じがまるでない。書道か三味線を習いにでも来たような錯覚に陥りそうな感じである。陥ってはいないが。その古家の狭い廊下に数名の患者が窮屈そうに腰掛け順番を待つ。かなり待たされた後、診療室に通された。

「どうされましたか?」という医師からの問いかけがあり、もちろん病状を説明せねばならない。やや躊躇したのだが、なに迷うことはない。正しい治療には正しい情報が不可欠なのだ。はっきりと「サッカーゲームで左手の親指が痛くなった。腱鞘炎ではないかと思う。」と告げた。小さな病院であるため、診療室内にいた顎を木の支えに括りつけたムチ打ちと思しき男にのみならず、院内に居合わせた全ての人に私の病状は伝わったはずである。
診断結果はやはり軽度の腱鞘炎であった。医師は丁寧に腱鞘炎がどのようなものかを紙で図解してくれるのだが、ムチ打ち男の面倒を見たり、受付やレジ打ちを行うために時折いなくなってしまう。スタッフはこの医師一人なのだ。看護婦、受付、精算業務など複数の役目を一人でこなす実にポリバレントな医師で、やけに忙しそうである。しばしば何から手をつけるべきか分からなくなり、立ち止まってみせたりもする。オシムのサッカーのように、頭が疲れるのだろう。
念のためにレントゲンをとることになった。レントゲン室は物置のようなスペースにあり、そこに行くためには一旦診療室を出て、順番待ちの患者の前を通過せねばならない。当然、患者達には「大層にもレントゲン撮影までしようというゲーマーはこいつか」と思われたはずである。「ゲーマーではない。フットボールプレイヤーだ。」と中指を突き立てて言ってやりたいところではあったが、そこはグッと堪えた。

治療はこの1回きりで終了となった。現在は外科で貰ったシップをつけ、復帰に向けリハビリの毎日である。今のところ、一向に変化は見られない。
藪医者だとは思いたくない。きっと自分の頑張りが今ひとつ足りないのだ。骨折から見事な復活を遂げたヤンキース松井秀喜は、バットを振ることへの恐怖心こそが復帰への最も大きな障害となったという。近いうち、勇気を出して十字キーを押してみようと思う。悠長になどしてはいられないのだ。来年の第2回アジア室内大会の代表選考会には、なんとしても間に合わせなければならない。
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by sporting_emoto | 2006-12-06 16:18 | Football
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