室内ダンス
昨年3月の震災復興支援チャリティマッチで、見事なゴールとダンスを決めて日本中をしびれさせたキング・カズだが(カズダンスを公式の試合で披露したのは4年ぶりだの5年ぶりだのと報じたメディアもあったが、その半年程前に国立で行われたカターレ富山戦でも披露している。一般メディアがいかにJ2を、あるいはJリーグそのものを軽視しているかが改めて露わになった)。なんとプロフットサルのFリーグに参戦するのだという。それも、親善試合ではなく通常のリーグの試合にである。

出場は今月15日の1試合限定だというが、どうにも心配だ。余計なお世話にも程があるが、やめておいた方がいいのではないかと思う。嫌な予感がしてならない。
今のキングは、スピードもなくなり、足元もややおぼつかなくなっている。いや、そもそも若い時から柔らかな足元の技術のある選手では実はなかった。見事な間合いでのタイミング外し、思い切りの良い仕掛けで勝負してきたという印象がある。現在は体のキレも失ってしまい、そうしたかつての持ち味を出せなくなってしまった。その代わりに、それを補って余りある豊富な運動量と絶妙な位置取りでチームに貢献してみせている。気の利いたスペースに入り込んだり、相手の攻撃の芽を摘む見事な守備も見せる。ボールタッチ自体は昔に比べると圧倒的にシンプルで、無理することなく簡単にさばく(まれに無理して勝負すると、大概ろくなことにならない。2007年には無人のゴールへ蹴り込むだけという足元へのクロスを軸足に当ててみせた)。キングはいまやそういう選手だ。そのような選手にとって、フットサルのプロリーグというのはやや厳しいのではないかと心配になるのだ。Jリーグで見せているようなシンプルで効果的なプレイに徹してくれれば良いのだが、キングは間違いなく持ち前のサービス精神を大いに発揮して足技に挑む。そこが怖いのだ。凡百のJリーガーをはるかに凌ぐ柔らかな超絶テクニックを持つ選手ばかりというか、そういう選手しかいない中にあって、あの動きと髪質はいかにも堅い。にゅうめんの中に、一本だけカチカチの乾麺を放り込んだようなものだ。

キング自身は、ブラジル時代にフットサルの経験があり、足裏を使うプレイなどはそこで身に着けたというようなことを語っているのだが。最近のキングが足裏を使ってプレイしているのを見たことがない。
嫌な予感が杞憂に終わり、体育館特有のキュッキュッという音をたてながら、ド派手にカズダンスをかましてくれれば最高ではある。
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by sporting_emoto | 2012-01-07 01:50 | Football
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